養育費
| 養育費とは | 養育費の額の変更 |
| 養育費の支払い期間 | 養育費その他 |
| 養育費の額 | 養育費の給料からの天引き |
| 養育費早見表の見方 | 養育費Q&A・最新判例 |
養育費とは
養育費とは、子供が親から自立するまで養育してもらうための費用です。
実際には、子供を実際に引き取って
育てている親が、
もう一方の親から子供を育てていくための費用を分担してもらうという形で支払われます
養育費は、親であれば当然負担しなければいけないものなので、
特に取り決めがなくても養育費を支払う義務はあり、
また、時効にかかることもありません。
そのため、あとからでも養育費をもらうことはできます。
親権・監護権
養育費の支払の期間
養育費は一般には20歳まで
支払われるべきものです。
しかし、事情により異なってきます。
例えば、16歳の娘が結婚した場合は成人したとみなされるので
養育費の支払い義務はなくなります。
また、
高校を卒業して
18歳で働き始めたとしても、扶養義務
はなくなります。
反対に、離婚前の両親ともに
大学を卒業していた場合、
その子が大学に進学する場合などは大学卒業まで、養育費を支払うべきだと考えられる親もいらっしゃいます。
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養育費の額
養育費の額は、親の資力・生活水準等を考慮して決めるべきものですので
一般的にいくらということはできません。
そのため、今後子供にかかるであろう費用を考えて、じっくりと話し合いをして決めてください。
一般的には、月に3万円から6万円ぐらいが相場になります。
但し、養育費の算定をするたえの表がありますので、参考にしてみてください
親権・監護権
当事者で定めれば養育費の金額はいくらでもよいのか?
Q養育費の定めを離婚時、離婚協議書もしくは離婚給付付き公正証書にする場合、
当該養育費の金額は当事者で定めればいくらでもよいのでしょうか。
契約自体、当事者の合意により定められますので、当該金額は基本的には、当事者間にて
定めさえすれば、相場より高い養育費を定めることは可能です。
もっとも、離婚後、養育費を支払う義務者が生活できないくらいの定めをした場合には、
養育費の定めを減額することができるとする判例があり、以下の通りです。
平成18年 6月29日 東京家庭裁判所の審判
事件番号:平成17年(家)3831号 ・ 平成17年(家)3832号
事件名:子の監護に関する処分(養育費)〔減額〕申立事件
父が、協議離婚の際に公正証書によって合意した養育費の減額を求めた事案において、上記養育費は、いわゆる標準的算定表により算定される養育費の二倍以上の額であり、父の収入額からみて、これを支払い続けることが相当に困難な額であったこと、公正証書作成の経緯等の諸事情を考慮すると、双方の生活を公平に維持していくためにも、養育費の月額を減額変更することが必要とされるだけの事情の変更があると認められた。
もっとも、上記中、「公正証書作成の経緯等」という記載がありますように、子供のために、相場よりも多くの金額を残しておきたいと考えて夫婦で話し合いの末、決めたことであれば、当該合意も変更されない可能性があります。
養育費支払義務者が会社を退職した場合
会社をリストラもしくは長期病気のため、辞めなければならなくなった場合は、養育費が定められていたとしても減額される場合があります。
なお、リストラなどをされると通常よりも多い退職金が会社より受け取れますので、通常は当該退職金を養育費に充てることになります。
Q では、養育費を定める審判が家庭裁判所から出され、子供1人当たりの養育費が強制的に定まった後、支払うのが嫌であえて会社を退社した場合はどうでしょうか。
この場合、収入は減少していることになりますが、上記のように支払うのを免れるために退社した場合は、養育費の減額や免除は認めない。
という判例が下記の通り、出ております。
なお、このような場合、実際には収入がないことから、
「潜在的稼働能力を前提とする得べかりし収入」
に基づき養育費を算定していくことになります。
(平成18年1月18日福岡家庭裁判所 平17(家)1278号 ・ 平17(家)1279号
・ 平17(家)1280号
事件名 子の監護に関する処分(養育費免除)申立事件)
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養育費早見表の見方
1、この表で言う年収とは
①給与所得者の場合→「源泉徴収票の支払金額」をいい、
②自営業者の場合→「課税される所得金額」をいいます。
*なお、自営業者の場合、課税標準を計算する上での収入金額
(売上金額)が養育費算定の総収入となるのではないことに注意する。
2、①年収等が不明の場合→当事者が資料の提出をしない場合や提出資料の信頼性が乏しい場合には、賃金センサス等を利用して、適宜推計する。
②また、権利者が十分稼動できる環境にあるのに稼動していない場合には、統計資料に よって潜在的稼働能力の推計を行うこともある。
(*但し、子が幼い場合に現実に稼動していない権利者の潜在的稼働能力を推計することについては、慎重に検討すること。)
3、算定表はあくまで標準的な養育費を簡易迅速に算出することを目的とするものです。
最終的な養育費は各事案の個別的要素をも考慮して定めることになります。
しかし、個別的事情といっても、通常の範囲内のものは、 標準化するに当たって算定表 の額の幅の中で既に考慮されています。
ですから、算定表の幅を超えるような額の算定を要する場合は、この算定表によることが 著しく不公平となるような特別な事情がある場合に限られます。
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養育費の額の変更
一度決めた養育費の額は変更することが
できないのでしょうか?
やはり、養育費を決めてそれを書面に残していた場合は、額を変更するのは難しくなります。
しかし、養育費は財産分与や慰謝料と違って、
子供が進学したり、病気や事故に遭い、治療費がかかり 取り決めた養育費以上にお金がかかるなどの
事情があれば増額することもできます。
あらかじめそういうことを想定して、離婚協議書に
「子供の進学や病気などの際には、養育費を増額することができる。」
という項目を盛り込んでおけばより確実です。
また、支払う側が失業した等支払が困難な事情が発生したり、受け取る側の収入が増額して養育費が支払われなくても安定した生活を送れるようになったり、子の母親が再婚してその夫が面倒見てくれている場合などは減額できる場合もあります。
具体的な請求根拠としては、
民法880条です。
この条文を主張することにより、養育費の変更を主張することができます。
ただし、理由がなければ、認められません。
親権・監護権
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養育費その他
養育費は子供名義の口座を作り、そこに振り込んでもらうのが、記録も残せる事からベストです。
養育費は、その性質上一括払いするべきものではありませんが、
もし、一括払いした時でも、相当なものであれば贈与税は取られません。
家庭裁判所調査官の研究において、
養育費払っている親と子供との面接交渉が円滑に行われている場合には、
養育費は高い率で支払われているという結果が出ています。
養育費を払わなくなった時のために、離婚協議書とか大げさにしなくても、養育費の部分の念書だけでも残しておきましょう。
できたら専門家が作成したものなら、なお有効です。
なぜならそのことによって、相手が養育費を滞納したら、相談窓口があるということがわかり、滞納しにくくなるからです。
それでももし、滞納した場合は、まずは電話で請求して、それでも駄目なら内容証明郵便で養育費の支払を請求して、最終的には調停・裁判を起こして請求します。
離婚協議書があればかなり重要な証拠になるでしょう。
相手が会社員や公務員の場合は、裁判所からの通知によりその給料を養育費として毎月差し押さえることができます。
これも、世に言う強制執行なのですが、比較的簡単で有効です。
その際証拠書類としての離婚協議書があれば裁判で認められるでしょう。
また、離婚協議書を強制執行認諾約款付き公正証書にしておくと、養育費が約束どおり支払われなかった場合に、裁判を起こさなくても強制執行をすることができます。
親権・監護権
給料からの養育費の天引きは
養育費を滞納した場合、今までは、調停調書や
公正証書(執行文言あり)であっても、
その滞納した部分しか
差し押さえることしかできませんでした。
これでは、養育費を滞納するたびに、強制執行の手続きをとらなければいけなくて非常に不便でした。
しかし、法律の改正により、養育費の滞納に対して、 調停調書や公正証書(執行文言あり)なら、その滞納期間分の請求プラス将来の分も月々の給料から天引きすることができるようになりました。
しかも、その差し押さえの限度額も、給料の4分の1から2分の1まで引き上げられました。
とはいえ、やはり基本的には親の生活水準等を考慮して話し合いで養育費の額を決めるのが一番です。
親権・監護権
養育費Q&A、最新判例
・養育費の最新判例~養育費の減額が認められる場合
公正証書により定められた養育費について,支払義務者の再婚相手の育児休業期間に限定してその減額を認容した事例
具体的には以下説明しますと、
山田花子さんと山田太郎さんが離婚し、山田太郎さんが再婚したとします。
山田花子さんと山田太郎さんとの間に、子供が1人いた場合、離婚後も山田太郎さんは、
当該子供に対して養育費を支払わなければなりません。
当該判例の当事者の場合、山田太郎さんの再婚相手が妊娠・出産をし、育児休暇を取った場合、育児休暇中の再婚相手の収入がなくなることから、どうにかして、山田太郎さんが養育費の金額を減額して欲しいという事案です。
以下、判例の要点をまとめますと、
公正証書により定められた養育費について,支払義務者(父)から,養育費の減額を求めた事案において、支払義務者が再婚し、子をもうけたという事情は、再婚相手に収入がない現時点では、養育費条項を変更すべき事情に当たるが、
再婚相手の育児休業期間経過後は、再婚相手も出生した子の養育費を負担できるようになることが予想され、その後必要があれば支払義務者において再度減額等の申立てをするのが相当であるとして、再婚相手の育児休業期間が終了する月までに限り、養育費を減額した事例
(福島家庭裁判所会津若松支部審判・平成19年(家)第391号、11月9日審判)
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