公正証書作成失敗例①~期限の利益喪失約款


ある日、Mさん(女性)のお話です。離婚に伴う公正証書

Mさんの考えていることをを要約すると、
「ご主人が離婚後、慰謝料養育費のお金を支払ってくれない恐れがある。 どうすれば、いいか?」

というものであった、

「幸いご主人は、会社員であったため、
ご主人が養育費の支払いを滞った場合には、
給料から天引きができる。

また、慰謝料にしても、「期限の利益喪失約款」をつければ、分割払いの1回でも支払いが滞れば、その時点で全額の財産を差し押さえることができる。

Mさんの場合公正証書に直接以上の事情を入れ、 公正証書にすれば、将来の不安も可能な限り、拭えるような状況です。


しかし、




期限の利益喪失約款の有無


Mさんは既に公正証書は既に作っておりました。既に公証人と相談した上で、作っていたのです。
既にできあがっている公正証書の内容によりますと、

内容を拝見しますと、離婚に伴う公正証書慰謝料の金額は決まっており、
その金額を分割で支払う旨、公正証書には
記載されています。

しかし、肝心の
「期限の利益喪失約款」
が存在していませんでした。


期限の利益喪失約款が存在しないということは、慰謝料の分割金を元夫が支払わなかった場合に、分割金毎に強制執行をしなければならなくなります。


分かりやすく申し上げますと、
元夫の慰謝料の金額の総額が500万円として、月々の支払いが5万円ずつであり、
支払い半年後に支払いが滞った場合、

離婚に伴う公正証書期限の利益喪失約款を付けていれば、
残りの450万円に対して、Kさんは
強制執行を元ご主人に実行することができますが、
仮にこの期限の利益喪失約款をつけていなければ、
月々発生する5万円に対してしか強制執行をかけれません。

(厳密に申し上げますと、例えば、過去3ヶ月支払いが滞っていれば、その3ヶ月はまとまって強制執行可能)

また、それは、毎回行わなければならず、先ほど、期限の利益喪失約款を付けている時は1回で済んだ強制執行手続きが、
かかる条文が無いために、毎回行わなければならない可能性があるのです。

このような場合、当事者が合意すれば、期限の利益を新たに加えた公正証書を新たに作成いたしました。



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公正証書作成の注意点


以上から、離婚に伴う公正証書
必要最低限の事を書けば公正証書は作れます。
もっとも、そこにプラスαが必要な事案もあります。

先の例に限らず、記載しなくてもよいが、
記載していれば、将来の不安も可能な
限り消滅する事ができたといえるかと思います。

そのため、公正証書を作成する場合には、公証人に色々と不安をぶつけ、きちんと問題(将来の問題)を解決した上で、当事者で合意するのがよいでしょう。



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